こんにちは。シーアです。(@seer1118b)
リズミカルな文章、くすっと笑ってしまうストーリー、森の木や小鳥たちの美しい絵。
たくさんの魅力がありながら、絶版になってしまった絵本をご紹介します。
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偶然の出会いから、思い出に残る大切な絵本になりました。
「66このたまご」の絵本データ
福音館書店の月刊絵本「こどものとも」の1977年5月号です。
私がこの絵本と出会ったのは、大阪・難波の「絵本カフェholoholo」。
絵本カフェholoholoさんは、現在は閉店されています。
当時、店内で読んだ絵本が気に入ったら、購入できる仕組みでした。
私は「66このたまご」を読んで、気になったものの、一度は買わずに帰ってしまいました。
でも、やっぱりどうしても手元に置いておきたくなったので、再度お店に足を運んで、購入したのです。
「66このたまご」のあらすじ
おばあさんは、森で小鳥たちと一緒に暮らしています。
小鳥のヒナが生まれるのを楽しみにしていたのですが、何者かによって卵が盗まれてしまいました。
おばあさんが、卵を探して森の奥へ行ってみると、アナグマが、小鳥の卵で「たまご酒」を作ろうとしています…!
卵をたまご酒にされてしまう前に、何とかして取り返さなくては…。
おばあさんは、小鳥たちの協力を得て、アナグマから卵を取り返そうと行動します。
「66このたまご」の3つの魅力を解説
「66このたまご」の素晴らしさを、3つピックアップします。
- 小鳥のさえずりのように読める、リズミカルな文章
- 悪者のアナグマだって憎めない!くすっと笑ってしまうお話
- 自然をていねいに描いた、美しい絵
小鳥のさえずりのように読める、リズミカルな文章
声に出して読み聞かせをするとき、この文章の本当のすごさが分かります。
…と言ってもピンとこないと思うので、おばあさんが小鳥たちを呼ぶときのセリフを引用しますね。
ちょくぴい ちょくぴい
ことりや ことり
もりのすみずみ とおくにいても
わたしを たずねてきておくれ
歌うように読める、日本語のリズムが素晴らしい作品なんです。
悪者のアナグマだって憎めない!くすっと笑ってしまうお話
アナグマは、小鳥の卵を66個も盗んだ悪者。
おばあさんに見つかっても「この卵は、ぼくが見つけたんだからぼくのもの」だと主張したり、「力づくで来るなら卵を放り投げちゃうぞ」と脅してきたりして、なんともずる賢いんです。
だけど、おばあさんだって負けていません。
小鳥たちを呼んで、数の力で対抗します。
いろいろあって無事卵を取り戻したあと、木に登って巣に卵を戻していくおばあさん、ただ者ではありません。
ラストシーンでは、おばあさんもひと波乱起こしちゃうので、最後まで見逃せません。
自然をていねいに描いた、美しい絵
淡い水彩のようなタッチで描かれた、美しい絵にほれぼれします。
特に、小鳥のヒナのふわふわ感がたまりません。
こんな素敵な絵本が、絶版になってしまうなんて、本当に残念です。
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福音館書店の月刊絵本「こどものとも」
福音館書店の月刊絵本は、60年以上もの歴史を誇り、信頼できるラインナップで有名です。
赤ちゃん向けの「こどものとも0.1.2」を除いては、ソフトカバーでの発行になりますが、のちに好評だった絵本はハードカバー版で発行されます。
あの名作絵本「ぐりとぐら」も、こどものともの月刊絵本から生まれました。
長年、子どもの心と向き合って絵本作りをしてきた、福音館書店の絵本の質は確か。
ハードカバーにはならなかったけど、誰かの心に残っている絵本もきっとあるはず。
絵本との出会いは一期一会。
もし図書館などで手にすることができたら、大切に読んでみてくださいね。
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