雪が溶けて、寒い冬が終わり、春がやってくる…みんながウキウキする季節ですね。
同時に、冬眠している動物たちにとっては、ようやく長い眠りから覚めるとき。
そんな春が待ち遠しい気持ちで、大冒険をする小さなオコジョのお話をご紹介します。
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子どもって、ある一定の成長段階をすぎると、友達がなによりも大切になるもの。
それこそ、一度も行ったことのない場所に旅立っちゃうくらいにね。
「はるをさがしに」の絵本データ
著者の亀岡亜希子さんは、読んだ人の心にずっとしまっておいてもらえるような、そんな絵本を描いていきたいと語られています。
その言葉の通り、子どものためではなく、いつの間にか私自身がとりこになった、忘れられない作品です。
「はるをさがしに」のあらすじ・内容
オコジョのタッチィは、早く冬が終わって春が来てほしいと思っています。
大好きなお友達のくまさんに、冬眠から目覚めてもらいたいから。
くまさんのねぐらの周りを雪かきしてみますが、そんなに簡単に春にはなりません。
お花をつんできて並べたら、くまさんに春だと気づいてもらえると思ったけれど、雪がたくさん残っていてお花が咲いていない…。
そんなとき、きつねさんに「南のほうはもう春だよ」と言われ、タッチィは汽車に乗って南を目指します。
きっぷが買えなくてウロウロしていると、優しい女の子と出会い、一緒に汽車に乗せてくれます。
汽車を降りると、女の子は自分の家に帰っていき、タッチィはひとりでお花畑へ。
しかし、みつばちたちは花の蜜が減ってしまうのを嫌がって、タッチィにお花を分けてくれません。
親切なちょうちょさんが、「くまさんは、お花よりもはちみつのほうが喜ぶ!」とアドバイスしてくれたおかげで、お花の代わりにはちみつをもらうことに成功。
帰り道、タッチィは、自分の白い体が、茶色い春の毛色に変わっていることに気がつきます。
そう、春がやってきたのです!
タッチィは、くまさんに会いたくて、はちみつと、帰りがけに女の子の家に寄って持たせてもらったお土産を手に、また汽車に乗って帰るのでした。
「はるをさがしに」の3つの魅力を解説
「はるをさがしに」の素敵なポイントを3つピックアップします。
- 登場人物がみんな優しい!友達を思う気持ちのあたたかさ
- 風景、植物、換毛…冬から春への季節の移り変わりが学べる
- 胸がときめく! パステルで描かれた、細部までこだわった絵
登場人物がみんな優しい!友達を思う気持ちのあたたかさ
タッチィは、くまさんに早く会いたい一心で、きっぷの買い方もわからないのに、南へ向かおうとします。
お友達に会いたい、話したい気持ちだけで、冒険できちゃう。
そして、たまたま出会った女の子も、タッチィと友達になって助けてくれます。
みつばちたちも、ちょうちょも、「友達が待っているんなら」とはちみつをくれるなど、心がほっこりするやりとりの連続。
友情が、さらなる友情を呼んで、優しい気持ちが連鎖しているんです。
風景、植物、換毛…冬から春への季節の移り変わりが学べる。
冬は、雪が積もっていて、くまさんは冬眠していて、花も咲かない寒い季節。
春は、雪が溶けて、くまさんが冬眠から目覚め、緑の草木が芽吹いて花が咲きます。
絵本で知ったことと、実際に季節の変わり目を体験すること…そのくり返しで、知識が実感をもって定着していくんです。
おまけに、タッチィの冬毛も、春仕様に換毛しています。
年に2回、毛が生え変わること。
夏毛は、あごの下からお腹周りが白く、背中など他の部分が茶褐色。通気性がよく、暑い季節に適しています。
冬毛は、全身が真っ白な毛で覆われます。密度が高くあたたかいのと同時に、雪にカモフラージュして身を隠しやすくしています。
身近には、オコジョのように、換毛で体の色が変わる動物はあまりいません。
実生活ではあまり知ることのない情報も、絵本でさりげなく教えてくれますよ。
胸がときめく! パステルで描かれた、細部までこだわった絵
https://www.instagram.com/p/BudtA8En30f/?utm_source=ig_web_copy_link
亀岡亜希子さんは、美術教師だったお父さんの影響で、パステル画を描かれています。
実は、私も学生時代にパステル画を描いていて、ふんわりとしたタッチや素朴な色使いが大好き。
遠くに見える山々、美しい緑や花の数々、タッチィの表情…細かいディテールまでこだわっていて、見ていてうっとりしてしまいます。
こんな素敵な絵だからこそ、お話のあたたかさがより伝わるんですね。
関連作品|オコジョのタッチィシリーズの絵本
オコジョのタッチィが活躍する絵本は、季節ごとに1冊刊行されていて、全4冊あります。
- 春…はるをさがしに(この記事の絵本)
- 夏…なつのやくそく
- 秋…あきにであったおともだち
- 冬…ねんにいちどのおきゃくさま
表紙を並べて眺めてみると、タッチィが季節ごとに毛色が変わっているのがよく分かりますね。
「はるをさがしに」は、春の訪れと友達との再会が待ち遠しくなる絵本
今いる場所で待っていても、春はそのうちやってくるのに、くまさんに会いたくて遠くへ冒険してしまう…。
いても立ってもいられない衝動が、タッチィのくまさんを思う気持ちそのものなのでしょうね。
春はあったかくて、心躍る季節。優しくあたたかい絵本と一緒に、楽しみたいですね。
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