モノクロで描かれた雪の世界で、優しい動物たちがお茶会を開いている…
そんなファンタジックでどこか懐かしい絵本をご紹介します。
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ほとんどが、シンプルな黒と白で表現されている作品。
主人公のキッコちゃんの赤い帽子とスカート、黄色い髪など、ほんの少しのアクセントだけ色で彩られているんです。
子どもの頃の感情を思い出して、キッコちゃんの気持ちに同化してしまうシーンもあり、スルッと絵本の世界に入ってしまいます。
「もりのおくのおちゃかいへ」の絵本データ
みやこしあきこさんは、1982年生まれの若い作家さん。
どことなく日本っぽくない、海外絵本のような風景は、木炭で描かれています。
ワークショップで公開された、制作過程の動画を、Youtubeで見ることができますよ。
- 日本図書館協会選定図書(2011)
- 日本絵本賞・大賞(2012)
他にも、イラストだけを担当された絵本も含め、現在13作品刊行されています。
「もりのおくのおちゃかいへ」のあらすじ・内容
雪がやんだ冬の朝、キッコちゃんのお父さんは、おばあちゃんの家に雪かきに行きました。
ところが、お父さんは持っていくはずだったケーキを家に忘れていっています。
「いまなら おいつけるよ。わたし、とどけにいく!」
森の向こうのおばあちゃんの家に向かって出発すると、遠くにお父さんらしき人影が見えます。
ですが、駆け出した途端、キッコちゃんは転んでしまいます。
お父さんを見失わないように、慌てて立ち上がって後を追いますが、お父さんは見知らぬ家に入っていきます…。
なんと、お父さんだと思っていたのは、実はくまだったのです!
キッコちゃんは驚きますが、ひつじの子に「あなたもお茶会に来たの?」と、招き入れられます。
家の中には、動物たちがいっぱい!
みんな、新しいお客さんのキッコちゃんに優しくしてくれて、いろいろと話しかけてくれます。
つぶれてしまったケーキのことを話すと、「ケーキなら、ここにいっぱいあるよ!」と、木の実のぎっしり詰まった、動物たちの特製ケーキを分けてくれました。
動物たちは陽気に楽器を奏でながら、みんなでキッコちゃんのおばあちゃんちを目指して歩きます。
「もりのおくのおちゃかいへ」の3つの魅力を解説
「もりのおくのおちゃかいへ」の素敵なポイントを3つピックアップします。
- 絵がキレイ! 木炭で描かれたモノクロの世界に、アクセントカラー
- 登場人物や動物たちが優しい! 雪の季節なのにあたたかい絵本
- 子ども心を思い出す!どことなく懐かしい、身に覚えのある感情
絵がキレイ! 木炭で描かれたモノクロの世界に、アクセントカラー
みやこしあきこさんは、絵のメインの部分は木炭で描かれています。
色は黒しかないので、なんとなく闇の部分に誰かがいるような気配が漂っていて、一見怖いと感じるかもしれません。
ですが、お話を読んでみると、キッコちゃんを見守る動物たちは、優しさとあたたかさを持っていることがわかります。
白と黒の中に、一部分だけ鮮やかな赤や黄色がトッピングされているのがハイセンス。
特に、ケーキが登場する場面がいちばんのお気に入り。
子どもたちも、わぁっと声を上げるくらいテンションの高まるシーンです。
登場人物や動物たちが優しい! 雪の季節なのにあたたかい絵本
キッコちゃんのお父さんは、おばあちゃんを気遣って雪かきをしに行きます。
それに、お母さんは、「ひとりで行ける!」というキッコちゃんに、おおらかにおつかいを頼みます。
家で待っていたおばあちゃんも、キッコちゃんがひとりで来たことにびっくりしたけれど、あたたかく迎えてくれます。
そして、見ず知らずのキッコちゃんをお茶会に参加させてくれて、リラックスさせようと話しかけてくれる、アットホームな動物たち。
人間だから、動物だから…といった垣根がなく、フラットに付き合ってくれる居心地の良さ。
雪が積もる、寒い冬のお話だけど、心はちっとも寒くない。
なんだか、幼い自分に見せてあげたくなるような、特別な気持ちが沸き上がってくるのです。
子ども心を思い出す!どことなく懐かしい、身に覚えのある感情
キッコちゃんが抱いた感情は、どれも子どもの頃に感じたことのある気持ち。
例えば、忘れ物を届けたくて「ひとりでできる!」と張り切ったこと。
大事なものだとわかっていたのに、落として壊してしまって「どうしよう…」と泣きそうになったこと。
親だと思ってついていったら、振り返ったらまったく違う人で、怖かったこと。
知らない人たちに一気に注目されて、緊張してドキドキしたこと。
キッコちゃんは、夢と現実の世界がリアルに共存していた、少女時代の私のような気がしています。
「もりのおくのおちゃかいへ」みやこしあきこ|モノクロの世界に咲いた、あたたかい優しさ
「もりのおくのおちゃかいへ」は、子どもの頃の気持ちを、生身の心で思い出せる絵本です。
白黒の中に、ぽっと灯る色彩が、世界の優しさを表しているようで、とても癒されます。
読み終わる頃には、キッコちゃんと一緒に、大冒険をしたようなスッキリした気分になれますよ。
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