鮭の一生を、ドラマチックに描いた絵本をご紹介します。
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長男が4歳の頃、とても気に入って、何度も読み聞かせていた絵本。
鮭のピリカが、海から川に還り、お母さんになるまでの物語。
ご存知の通り、鮭は産卵と引き換えに命を落とす生き物なので、必然的に「死」に触れることになります。
子どもに、死のテーマを避ける方も多いですが、ぜひ良質な絵本を入り口にして、一緒に考えるきっかけにしてもらえたらいいな。
「ピリカ、おかあさんへの旅」の絵本データ
「ピリカ、おかあさんへの旅」は、北海道で鮭に関わる方々の協力で完成された絵本です。
鮭の研究をされている大学教授、サーモン科学館、鮭の増殖事業協会、漁師の方…
だからこそ、リアリティのある作品になっているといえます。
「ピリカ、おかあさんへの旅」のあらすじ・内容
ピリカは4歳。鮭にとっては、もう立派な大人です。
ある日、眠っていると、お母さんの夢を見ます。
鮭は、お母さんの顔を知らずに育つのに、夢の中ではたしかにお母さんを感じたのです。
鮭たちは、空を見上げ、耳をすませて過ごすようになります。
そして、誰かの呼ぶ声に従って、故郷の川に向かって泳ぎ出す…。
途中では、サメに襲われて群れがバラバラになり、はぐれた仲間もいました。
川では、熊や大鷲に狙われたり…。
そんな中、苦難に耐えて川に戻ってきたピリカ。
自分が産まれた川で、お母さんの姿を感じながら、今度は自分がお母さんになるのです。
「ピリカ、おかあさんへの旅」の3つの魅力を解説
「ピリカ、おかあさんへの旅」の魅力を、3つピックアップします。
- 目を開けて眠る、海水でも真水でも泳げるなど、鮭の生態がわかる
- 理科の教科書よりも説得力のある物語
- 死というテーマに向き合い、生命の本質をつかめる
かなり大型の絵本で、お話も長いので、読み聞かせる方は大変だったりするんだけど…。
目を開けて眠る、海水でも真水でも泳げるなど、鮭の生態がわかる
海水から川の水に移行しても大丈夫な魚って、珍しいですよね。
鮭は、一生のほとんどを海で過ごすのに、分類上は淡水魚なんです。
川で生まれて、海で成長し、また生まれた川に帰ってくる…そのメカニズムは、まだ完全には解明されていません。
アメリカやロシアなど、遠い北の海まで出ていく鮭たち。
どうして、故郷の川がわかるのでしょうね?
もしかしたら、鮭には、本当にお母さんの呼ぶ声が聞こえているのかもしれません。
理科の教科書よりも説得力のある物語。ピリカの気持ちに共感
鮭は産卵したら死んでしまうのは、よく知られていること。
小学校の教科書では、命の大切さを伝えるために、鮭の一生を題材にします。
人間とは違う生態に、興味を持つ子も多いはず。
絵本では、鮭のピリカの視点から、物語として分かりやすく伝えてくれます。
そのおかげで、子どもにも共感できるし、必然性と説得力があるのです。
現実では、鮭の気持ちになることはなかなかないので、絵本で疑似体験ができるわけですね。
死というテーマに向き合い、生命の本質をつかめる絵本
子どもには、「死んだ」とか「死ね」「殺す」などという言葉を、気軽に使おうとする時期があります。
物珍しさ、かっこいいと思って、面白がって…など、成長の過程でいろんな要素があります。
「死」というテーマは、取り扱いに注意が必要なもの。
迂闊に触れると、恐怖だけを増幅させる子もいれば、過剰な興味や全能感を抱いてしまうことも…。
そんな難しいテーマですが、鮭の生態を通じて、自然と接することができます。
鮭にとっては、出産=死であり、多くの子どもにとって身近に存在する「親」という存在がそもそもありません。
幼い頃の長男に読み聞かせたときは、「かわいそう」という感情をもちつつも、命はつながっているんだということを感じてくれている様子でしたよ。
「ピリカ、おかあさんへの旅」鮭の一生と生命の神秘を感じる絵本
産卵とともに死んでしまうにも関わらず、海も川も天敵だらけの中、果敢に故郷に向かう姿に、胸を打たれます。
遺伝子に組み込まれた、本能の力を感じさせられますね。
でも、もし、子どもが興味を持って聞いてくれるなら、対象年齢にかかわらず読み聞かせてあげてくださいね。
本当の意味はまだ分からなくても、とにかくたくさんのお話を体験させてあげることが大切。
そのときは理解できなくても、意味は、あとから自分で見つけるものだと思うのです。
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