失恋すると、自分のすべてを否定されたような気持ちになりますよね。
元に戻らない甘い時間、どこで間違ったんだろうという後悔…さまざまな感情で、何も手につかなくなるときこそ、本の世界に没頭しましょう。
本は心の栄養。あなたの傷ついた心を癒してくれますよ。
この記事では、失恋したときに読みたい小説を、5冊厳選してご紹介します。
ご紹介している本を読めば、必ず顔を上げて、前を向ける日がやってきますよ。
失恋したときに読みたい小説5選
失恋して、つらい気持ちのときは、同じ状況の主人公に共感できる小説がおすすめ。
たくさんの作品の中から5冊厳選してご紹介します。
恋は、つらく悲しい面もあるけれど、幸せを感じる瞬間もきっとあったはず。
失恋の悲しみや切なさだけでなく、恋の素晴らしさを思い出させてくれる作品も必要。
ありのままを受け入れてこそ、前向きな気持ちになれるのです。
「ビオレタ」寺地はるな|棺桶を売る雑貨屋が舞台の再生ストーリー
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主人公の妙(たえ)は、ある日突然婚約破棄したいと言われ、道端で号泣していました。
そこへ、「道端で泣くのはやめなさい」と拾ってくれたのが、雑貨屋「ビオレタ」のオーナー、菫さん。
ビオレタは、普通のアクセサリーや小物だけでなく、「棺桶」を売っているのが特徴。
棺桶は、思い出の物などを入れる、きれいに装飾された箱のこと。
妙は、ビオレタで働くうちに、人の痛みや思いを知り、徐々に成長していきます。
彼氏のことを忘れようと、手近なボタン屋さんの店主と付き合ったりもします(失恋あるあるすぎる…)。
誰かに必要とされたくて、揺らいで、もがいてしまう人にこそ読んでほしい。
自分の人生を、自分の足で歩いていけるようになる、その過程を描いた小説です。
「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都|ドリフターズ・リストを手に、次の一歩を踏み出す
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明日羽(あすわ)は、結婚式を2ヶ月後に控えた時期に、婚約破棄を言い渡されます。
あすわは、叔母のロッカさんに言われるがままにドリフターズ・リスト(漂流者のリスト)を書き始めます。
溺れる者がワラをつかむように、やりたいことをリストに書いて、ひとつひとつクリアしようとするあすわ。
失恋して、すべてを終わりにしてしまえば楽かもしれないけど、泣いても落ち込んでも、続いていくのが人生。
どん底から立ち直りたいけれど、どうしたらいいか分からない…そんな方におすすめの作品です。
「きみはポラリス」三浦しをん|一番星のようにキラリと光る短編集
三角関係、同性愛、片思い、禁断の愛…さまざまな種類の恋愛をテーマにした、10作品の短編集。
どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。
空にたったひとつ光る一番星のように、好きな人は特別な輝きを放っています。
どれひとつとして同じ関係性はないのに、自然と「これが恋」だと知っている不思議。
誰かを特別な人だ、大切だと感じる気持ちに、理由なんてないのかもしれません。
いろんなカタチの恋を知って、感動したり、共感したり、「それはないわ」と思ったり…。
抱く感情はそれぞれですが、読み終わった頃にはきっと「恋っていいな」と感じているはず。
「号泣する準備はできていた」江國香織|泣けない女たちの静かで熱い短編集
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江國香織さんの作品の登場人物は、静かで淡々としているのに、内面には煮えたぎる感情を秘めています。
12の短編に描かれるのは、それなりに年齢を重ねて、泣かないことを身につけてしまった女性たち。
結婚しているのに孤独だったり、不倫をしていたり、旅先だけの刹那の恋をしたり、絶望して離婚しようとしたり。
きっといつまでも癒えないと思うほどの、どうしようもない悲しみに襲われていても、平静を装う習慣がしみついていて、感情を出せない…。
サラッと書いているのに、グサグサ刺してくるような表現で、あなたが我慢して押し込めている感情を引き出してくれますよ。
ピュアフル・アンソロジー「片想い。」|切ない気持ちに共感する短編集
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片想いをテーマに、6人の作家さんがそれぞれ描き下ろした短編集です。
- 「長い片想い」坂木司
- 「プリウスの双子」前川麻子
- 「北風のマント」大崎梢
- 「キッキに」安藤由希
- 「さつきさん」草野たき
- 「おまえたちが信じてる世界のライフはゼロだから」笹生陽子
告白できなかったり、切ない思いを抱えていたり、失恋したり…それぞれの作品で異なる恋模様を味わえます。
アンソロジーのいいところは、いろんな作家さんの作品を少しずつつまみ食いできること。
個人的には、安藤由希さんの作品が淡々としているのにじんわり沁みました。
好きな作家さんを発掘して、数珠つなぎのように、他の作品を読んでみるのもおすすめ。
失恋したときこそ、本の世界で自分を取り戻そう
失恋は、誰もが経験するもの。
小説の中には、今の自分と同じ気持ちの登場人物がいます。
こんなにつらいのは自分だけじゃない、と思えば、心強いですよね。
失恋してしばらくの間は、過去を思い返して、涙を流すのも大切なこと。
でも、いつまでも立ち止まってはいられません。
本の力を借りて、自分の気持ちを整理できたら、一歩前に進みましょう。
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