- なぜ、内容を知っている本なのに、何度も「読んで」って言うんだろう?
- 子どもが、図書館で借りたことのある絵本を「ほしい」って言うのですが…。
- 初めて読む絵本に興味を持たなくて困っている。
子どもと絵本を上手に出会わせてあげたい、という気持ちからくるお悩みですね。
子どもだけでなく、大人だって、知っている本がお店に並んでいるとうれしいもの。
既知への安心感と、未知への興味。
この記事では、人間の行動心理をもとに、子どもと絵本の読み聞かせのお悩みを解決します。
最後まで読んでいただけたら、迷いなく子どもと絵本を楽しめるようになりますよ。
子どもが知っている絵本を何度も読んでほしがるのは、「安心感」があるから
子どもが何度も同じ絵本を読みたがって、なかなか新しい絵本に興味を持ってくれない…。
絵本を買ってあげようと本屋さんに行ったのに、すでに家にある絵本を読み始めたり、図書館で借りて読んだことのある絵本を「これがほしい」と言う…。
なぜ、知っている絵本を何度も読みたがるのかというと、「知っている」という気持ちは安心感につながるから。
未知のものには不安を感じ、既知のものには安心を覚える。
知っているものがあるとうれしい気持ちになるのは、大人も同じ
実は、これって子どもだけのことではありません。大人でも同じこと。
私は、ブックカフェ・絵本カフェに行くのが好きです。
私だって、こんなにたくさんの絵本が並んでいる中から、「あ、これ小さい頃に読んだことがある」「この本、知ってる」を、見つけてしまいます。
知っている絵本があると、自分が選んだものが認められたような気持ちで、心がほっこり嬉しい。
いい大人になっても、絵本の背表紙を眺めながら、どれを手にとっていいか分からず、途方に暮れることもあります。
本屋さんで、知っている本を見つけるとうれしい。
絵本カフェで、持ってる絵本を開いてしまう。こんな気持ちは昔から知っているはずなのに、「どうして?」って考えると途方に暮れる🤔
この気持ちに名前ってあるのかな?— シーア🍀よくばりブロガー (@seer1118b) 2019年5月3日
あなたにも、身に覚えがあるのではないでしょうか?
初めての本を手にとるときも、過去の成功体験に基づいて無意識に選んでいる
例えば、たまたま絵が好きだと思って選んだとしても、それは今まで見てきた絵の好みと照らし合わせた結果。
知ってる作家さんの新作だとしたら、その作者の過去作品が面白かったなどの成功体験があるはず。
一度食べておいしかったものは、また食べたいと思うように、人間は知っているものに安心感を求めます。
食わず嫌いという言葉があるように、知らないものをどう評価すればいいかわからないから、不安なのです。
何度でも同じ絵本を読み聞かせてあげてOK
子どもにとって、お気に入りの絵本は、親友のようなもの。
大人の読書みたいに、一度読んで終わりということはなくて、毎日でも一緒に遊びたい存在なんです。
だから、何度も同じ本ばかり読んでほしがったとしても、安心して読んであげてください。
私も、昔は、「どうしてこんなに、この絵本が好きなのかなあ」と我が子を観察したり、ぼんやり考え事をしながら、淡々とくり返し読んでいましたよ。(無になっていたとも言う)
お気に入りの絵本は、買って手元においてあげてほしい
もし、図書館や幼稚園などの絵本貸し出しで、たびたび借りてくる絵本があったら、買って手元においてあげてほしいと思います。
大人は、つい「いつも同じ本じゃなくて、たまには別の本にしたら?」とか「読んだことあるのに、わざわざ買うのはもったいない」などと言いがち。
でも、子どもが気に入った絵本は、心の友達になってくれるはず。
そんなときは「その絵本が好きなんやね。おうちにあるから、何回でも読めるよ。また一緒に読もうね」と言ってあげれば安心するかも(そううまくいかないこともあるけど)。
未知への興味は、成長とともに必ず生まれる
親は、いつも子どもに幅広い可能性を与えたいと願っています。
だから、「この子、他の絵本に興味を持たなくて大丈夫なの?」などと考えてしまいがち。
ですが、既知への安心感と、未知への期待感は、対になっていて、行きつ戻りつしながら少しずつ成長していくもの。
子どもの心の成長の段階で、新しいことを知りたいという欲求は必ず生まれます。
おうちにいろんなジャンルの絵本をそっと置いといて、子どもの興味がほかへ向く時期を待ちましょう。
読み聞かせタイムの絵本に、パパママチョイスも1冊混ぜてもらおう
読み聞かせタイムに、子どもが選んだ絵本だけでなく、ママも1冊好きな絵本を入れさせてもらうこと。
そうすることで、子どもの好み以外の絵本に触れてもらうのです。
我が家は男の子ふたりで、好きに選ばせると、電車・虫・科学絵本のオンパレードになって、私がつまらなかったから(笑)。
ママが楽しくないと、子育てなんてやってられないし、絵本の読み聞かせがしんどくなったらもったいない。
それに、信頼できる大人の読み聞かせなら、まだ知らない世界の扉も、安心して開けるものだから。
親子で絵本の読み聞かせを楽しめば大丈夫!
- お気に入りの絵本は親友のようなもの。何度でも同じ絵本を読んであげてOK!
- 図書館などでくり返し借りてくる絵本は、買って手元においてあげよう
- 未知の世界に興味を持つ時期は、そのうち必ず来る!
私が絵本の紹介記事を書いたり、ツイッターで絵本のことをつぶやくと、必ずと言っていいほど「この絵本、小さい頃に好きでした!」などとコメントを頂きます。
こうして、長い月日が経ってからも、心に残る絵本体験は、かけがえのないもの。
未来の「知っててうれしい」を育てるためにも、読み聞かせでお話の種をまいておきたいですね。
とはいえ、親がしんどい思いをしながら絵本を読み聞かせるのは本末転倒。