こんにちは。シーアです。(@seer1118b)
個人的にすごく好きで、私自身の心の栄養になっている絵本をご紹介します。
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ずっと残る、いつまでも楽しめるものと、食べたらなくなってしまうような、いわゆる「消え物」の違い。
子どもはとにかく「今」が大事だから、それらの違いを理解するのは、とても難しいもの。
だけど、この絵本を読めば、自然とどういうことなのかが伝わるんです。
「ボビーとそらいろのヨット」の絵本データ
マーガレット・バーディック氏については、調べても何の情報も見つかりません。
副題に「カエデのもりのものがたり」とついていますが、シリーズの他作品も出ていないみたいです。
童話館出版は、絶版になった優れた絵本を復刊する取り組みを行っています。
「ボビーとそらいろのヨット」も、1989年に発行されたあと、絶版になりましたが、1995年に童話館出版より復刊されました。
復刊した絵本以外も含めて、子どもの年齢に合わせた絵本の定期配送サービス「ぶっくくらぶ」で届けています。
「ボビーとそらいろのヨット」のあらすじ
かわうそのボビーは、アナグマさんのお店で、素敵な空色のヨットを見つけました。
ヨットには、小さなカードがついていて、こう書かれています。
「ビーバーさんの さくひん――いいものと こうかんします」
ボビーは、空色のヨットが欲しくて、ヨットと交換できるような「いいもの」を探します。
「あんな すてきな ヨットと、こうかんできる いいものって、なんだろう?」
ボビーは、カエデの森できれいな落ち葉を拾って、アナグマさんのお店に持っていきます。
だって、とてもきれいだし、前にお母さんにあげたら喜んでくれたから…。
ですが、アナグマさんは、こう言います。
「ビーバーさんはきっと喜ばないと思うよ。冬になれば、きれいな落ち葉も茶色になってカサカサ。だけど、君には空色のヨットが残るだろ」
次に、ボビーは、ビーバーさんが好きそうな、とてもおいしいニレの枝を集めてきたけれど、結果は同じ。
ニレの枝も、ビーバーさんが食べてしまえば、なくなってしまいます。
小川の底でキラキラ光っていた小石を拾ってみたけれど、それも乾いてしまえばただの石ころでした。
ボビーは、カエデの森の向こうに沈む夕日を見ながら考えます。
空色のヨットと交換できる、美しい、いいもの…ビーバーさんがいつまでも楽しめるもの…
ボビーは、ビーバーさんのために絵を描きました。
自分が美しいと思った、カエデの森の夕日と、ビーバーさんに見せたいと思ったきれいな落ち葉、川底の光る小石、おいしそうなニレの枝。
アナグマさんも、これには納得。「素晴らしい絵だよ!」と言ってくれます。
ビーバーさんは、ボビーの絵をいつまでも喜んでくれるのでした。
「ボビーとそらいろのヨット」の3つの魅力を解説
「ボビーとそらいろのヨット」の素晴らしさを、3つピックアップします。
- いつまでも残るものと、今しか楽しめないものの違いが分かる
- 相手のメリット・自分のメリットの等価交換が学べる
- ものを大切に扱う気持ちを身につける
いつまでも残るものと、今しか楽しめないものの違いが分かる
ボビーは、空色のヨットを手に入れれば、ずっと遊ぶことができます。
月日が経つと劣化してしまうものや、食べ物は、一度楽しんだらそれっきりです。
キレイな色の葉っぱも、枯れてしまえばビーバーさんの手元には何も残らない。
おいしいニレの枝も、ビーバーさんが食べてしまえばおしまい。
水の中でキラキラ光っている小石も、乾いたら灰色のただの石ころ。
自分が、いつまでも楽しめるものを手に入れたいなら、それ相応の品物を差し出さなくてはなりません。
現代社会では、それが「お金」になっています。
お金は、ほとんど何にでも交換できるので、汎用性の高さでは敵うものはありません。
だからこそ、アナグマさんは、ビーバーさんが長い間喜んでくれるような「いいもの」を求めたのです。
相手のメリット・自分のメリットの等価交換が学べる
ボビーにとっては、いつまでも楽しめるものでも、ビーバーさんがそう感じてくれるかどうかは、また別の問題です。
作者であり売り主である、ビーバーさんが、喜んでくれるものでなくてはなりません。
「自分だったらこれがほしい」じゃ、ダメなんです。
子どもは、基本的に自分中心な生き物です。
だけど、集団生活など、人との関わりの中で、他者の価値観を尊重することを覚えていかないといけません。
アナグマさんの意見のおかげで、ボビーは、ビーバーさんのメリットを考える視点を身につけます。
自分以外の人が、自分とは違った感じ方・考え方をするんだと理解していきます。
そして、ついにビーバーさんの希望を叶えられる手段を思いつくのです。
ものを大切に扱う気持ちを身につける
ボビーは、ずっと空色のヨットのことばかり考えています。
目をつぶっても、空色のヨットのことを思い、夢にまで出てくるくらい欲しいのです。
お金を出せば、何でも手に入ります。
本だって、電子書籍など、家に居ながらにして読むことができます。
それに、「欲しい」と言えば、すぐに親が買ってくれる…なんておうちもあるでしょう。
現代は、物がありあふれていて、本当に大切なものを見失ってしまいがち。
実は、人生に必要なものって、そう多くはないのかもしれませんね。
私にとって、運命的な出会いを果たした絵本
「ボビーとそらいろのヨット」の表紙絵が、絵本の定期便サービス「童話館ぶっくくらぶ」のパンフレットに載っていました。
淡い水彩画のようで素敵だな、と感じたのがきっかけ。
色もキレイだし、動物たちが、デフォルメされすぎず上品に描かれています。
昔好きだった、シルバニアファミリーを思い出すような…とにかく私好みの絵で、ものすごく惹かれたんです!
いつか読みたいとは思っていたけれど、そんなことも忘れかけた頃、図書館で偶然発見しました。
背表紙だけで、表紙が見えなかったにも関わらず、「この絵本…!」ってピンと来て、手に取らなきゃいけないって思ったんです。
ストーリーにも、様々なメッセージがこめられていました。
とても大事な本になりそうだと思って、手元においておきたい気持ちになり、迷わず購入。
出会いから10年が経つ今でも、私にとっていちばん大切な絵本のひとつです。
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たとえば、誰もが知っている「ぐりとぐら」も、成人式を迎えた絵本のひとつです。
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