いつまでも色あせない、大人にとっては懐かしい名作絵本をご紹介します。
子どもの頃は、シンプルに「ぐるんぱ、よかったね!」「ぐるんぱのようちえん、楽しそう!」と思っていました。
だけど、大人になってから読み返すと、また違った感想を抱くはず。
「ぐるんぱのようちえん」の絵本データ
初版から50年以上、累計200万部を突破していて、日本の絵本売上ランキングではトップ10に入るほどの、超ロングセラーです。
私の手元の絵本の奥付では、1965年5月出版となっていますが、福音館書店のHPやAmazonなどでは、1966年12月となっているので、そちらに合わせています。
(なんなんだろう、うちにある絵本は…?)
タイトル通り、幼稚園に通うくらいの年齢、3〜4歳くらいの子に特におすすめ。
ですが、何よりも、大人になってからもう一度手にとってほしい!
「ぐるんぱのようちえん」の内容・あらすじ
ぐるんぱは、ひとりぼっちで寂しく暮らしている、とてもおおきなゾウ。
いつもメソメソ泣いて、お風呂に入っていないので臭くて、働きにも出ない…そんな生活。
そんなぐるんぱを見かねたジャングルのゾウたちは、「ぐるんぱを働きに出そう」と決めます。
川で洗ってもらったぐるんぱは、ピカピカで立派になって、意気揚々と出発します。
ビスケット屋さんでは、1個1万円の大きすぎるビスケットを作ってしまう。
お皿を作ってみたら、大きな池ができるくらいのお皿になっちゃう。
靴職人のお店では、人間がすっぽり入ってしまうような、誰もはけない靴を作ってしまう。
ぐるんぱが作ったピアノは、大きすぎて強く叩かないと音が出ません。
自動車工場で作ったのは、前が見えないくらい大きなスポーツカー。
「もう、けっこう」
そのたびに、ぐるんぱがかけられる言葉は、なんともつらい。
ぐるんぱは、しょんぼりして、自分が作ったピアノやビスケットなどをスポーツカーに乗せて、途方に暮れて出ていきます。
そんなとき、子どもが12人もいるお母さんから、「子どもと遊んでやって」と頼まれます。
ぐるんぱがピアノを弾いて歌うと、たくさんの子どもたちが集まってきました。
ビスケットを分けてあげて、大きな靴でかくれんぼをして、お皿でプール遊び!
「ぐるんぱのようちえん」が教えてくれる、人生の真理3つ
「ぐるんぱのようちえん」が教えてくれる、この世の真実を、3つピックアップします。
- 今いる環境が合わなくても、どこかに自分に合った場所がある
- 過去に頑張ったことは、いつか自分の糧になる
- 未来の自分は、過去の自分を救うことができる
今いる環境が合わなくても、どこかに自分に合った場所がある
ブラック企業だけでなく、どんな環境でも、そこに馴染めない人はいます。
中2の長男は、長い間不登校で、原因はずっと不明のまま。
もちろん、自分のいる場所で、最大限楽しく、居心地良く過ごせることがいちばん。
だけど、もしその環境が苦痛なら、自分に合った場所を自ら求めて動くことができます。
ぐるんぱに食い下がる気があれば、「ちゃんと生活するからジャングルにいさせてください」とか「もっと仕事を頑張るので、どうかチャンスを下さい」などと言えるはず。
だけど、自分の長所を生かせない場所にいても、お互いにとって不幸なだけです。
ここではダメでも、次の場所では、イキイキと自分らしく輝けるかもしれない…そんな環境を探しましょう。
過去に頑張ったことは、いつか自分の糧になる
ぐるんぱが、自分に合わない仕事先をいくつも転々としたのは、無駄に思えるかもしれません。
ですが、ぐるんぱが大きなビスケットを作らなければ、子どもたち全員には行き渡らなかったでしょう。
大きなお皿を作ったおかげで、子どもたちはプール遊びができました。
人が隠れられるくらい、大きな靴だったから、かくれんぼに使えました。
巨大なピアノも、ぐるんぱには弾きこなすことができます。
そして、大きなスポーツカーがなければ、これらすべてを運んで移動することはできなかったでしょう。
ぐるんぱの過去の仕事のすべてが、ぐるんぱの幼稚園作りに欠かせないものだったんです。
回り道をしたことで得た、経験や知識は、自分の糧になります。
だから、一見遠回りなようでも、自分のベストを尽くしていれば、報われる日がきっと来ますよ。
未来の自分は、過去の自分を救うことができる
ぐるんぱが、子どもたちのためにピアノを弾いたとき、聞いていたのは12人の兄弟だけではありません。
その中には、ぐるんぱのように、ひとりぼっちだった子もいました。
つまり、ぐるんぱは、自分と同じようにひとりぼっちだった子を救うことで、時を超えて過去の自分を救うことができたのです。
ゾウのような力持ちでないと弾けない、大きすぎるピアノは、ピアノ工場のぴーさんにとっては「もう、けっこう」だったかもしれません。
だけど、ひとりぼっちの子と、他の子どもたちを、音楽を通じて結びつける役割は、ぐるんぱでなくてはできませんでした。
「ぐるんぱのようちえん」は、仕事に悩む大人にもおすすめ
「ぐるんぱのようちえん」は、大人の視点で改めて読み返すと、胸にぐっとくるものがあります。
就活や転職で、「不採用」を突きつけられたら、ぐるんぱが「もう、けっこう」と言われたときのような気持ちを味わうでしょう。
自分に合わない仕事で、辛い思いをしている社会人の方もいます。
学校の友達とうまくいかなくて、毎日が苦痛な子もいるはず。
だけど、あなたに合った環境は、きっとどこかにあります。
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