小説

「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都|失恋した女性におすすめ!元気がもらえる小説

sun-pasta-beens-soup

失恋、それも結婚が目前に迫った時期の婚約破棄となれば、目の前が真っ暗になるほどの絶望を感じるでしょう。

そんなとき、すべてを終わりにしてしまえれば楽だけど、それでも続いていくのが人生というもの。

どん底から立ち直りたいけれど、どうしたらいいか分からない…そんな方におすすめの作品をご紹介します。

¥660
(2024/11/21 20:02:14時点 Amazon調べ-詳細)

Kindle Unlimitedなら本・マンガが読み放題【30日間無料】

婚約破棄された主人公のあすわを救ったのは、ドリフターズ・リスト(漂流者のリスト)。

溺れる者がワラをつかむように、このリストを手にして、あすわは少しずつ自分を見つけていくのです。

ライト
ライト
「太陽のパスタ、豆のスープ」を紹介するよ!

「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都|登場人物

「太陽のパスタ、豆のスープ」は、主人公のあすわを中心とした物語です。

  • 明日羽(あすわ)…ベビー服商社の事務。結婚直前に婚約破棄されて、失意のどん底。
  • 六花(ロッカ)…あすわの叔母。ひょうひょうとしていてつかみどころのない性格。
  • 譲さん…あすわの婚約者だった人。あまり出てこないので気にしなくていいと思う。
  • 京…あすわの幼馴染。美容師。男だったときの名前は捨てた人。
  • 郁ちゃん…あすわの同僚で友達。あすわに変わるきっかけをくれる。

他にも、あすわの実家の家族など、彼女の周囲の人たちが登場します。

ライト
ライト
婚約者の譲さんの説明、雑すぎない?
シーア
シーア
だって、最後まで読んでも、譲さんがどんな人なのか全然わかんないから、もういいかなと思って…。

あすわは、実際のところ、譲さん本人のことを本当には好きじゃなかったんじゃないかな…?と私は思うのです。

「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都|あらすじ

ストーリーは、あすわが、譲さんに婚約破棄を言い渡されるシーンから始まります。

2年間付き合って、2ヶ月後には結婚式というときに。

シーア
シーア
いつからそう思ってたの…!?もっと早く言ってくれれば…!

そんなふうに思っても、あとの祭り。あすわは落ち込み、泣いて過ごします。

叔母のロッカさんは、そんなあすわに「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部リストに書き出してごらん」と言います。

あすわは、半信半疑でドリフターズ・リストを書き始めます。

リストに従って、やりたいことを実行していくうちに、少しずつ本来の自分の姿を取り戻していくのです。

京に付き合ってもらって、鍋を買いに行ったり、髪を切ってもらったり、エステに行ってみたり…。

ライト
ライト
ひとつひとつは小さなことだけど、ゆっくり変わっていくんだね。

やりたいことを書いたドリフターズ・リストは人生の道標

ロッカさんがあすわに勧めた、ドリフターズ・リスト(漂流者のリスト)は、溺れた人がすがりつくように岸辺にたどり着くための指針。

自分のやりたいことをリストアップして、ひとつひとつ自分で叶えていくことで、心も体も立ち直っていくのです。

少し違うけれど、私は、人生でやりたいことを100個掲げたリストを作って、ときどき見返しています。

シーア
シーア
結構大それた夢を書いていたりするんだけど、意外と叶っているんだよね〜。

ロッカさんの言うリストは、そんな大きな夢じゃなくて、もっとシンプルでいいんです。

例えば、あすわのリストはこんな感じ。

あすわのリスト
  • 髪を切る
  • きれいになる
  • 引っ越す
  • 毎日鍋を使う
  • 新しいことをやる

リストに書いて、達成できたら線を引いて消す…そんなちょっとしたことが、達成感につながるのです。

自分だけの「豆」を見つける、人生の旅

物語の中で、「豆」が重要なモチーフになっています。

シーア
シーア
さっき、あすわのリストにも「豆」って書いてたけど…いったいなんで「豆」が出てくるの?

同僚の郁ちゃんは、豆料理クラブに入っていて、フリーマーケットで豆の販売スタッフをしています。

あすわと郁ちゃんは、会社ではよくランチをしたりおしゃべりする仲だけど、プライベートはあまり知らなかったことに気づきます。

ライト
ライト
確かに、相手から聞かれなかったら、自分から豆の話なんてしないかもね。

自分が知っていると思っていた郁ちゃんは、ほんの一部でしかなかった…私には、郁ちゃんみたいに語れるものはひとつもない。

あすわは、これまで自分がいかに空っぽだったか、思い知るのです。

同じ豆を見ても、あすわは何とも思わなかったのに、郁ちゃんは立ち止まって、一歩踏み出したのです。

シーア
シーア
だけど、郁ちゃんにとっては「豆」だけど、あすわにとっての「豆」は別にあるかもしれないじゃない?

書いては消しながら、満たされないままの自分でもいいじゃない、と受け入れていきます。

あすわは、時間をかけて、自分にとっての大切なものを見つけていけばいい。

私が選ぶもので私はつくられる。(中略)こうありたいと願うことこそが私をつくっていく。

あすわのまっさらな心には、これからなんでも詰め込めるし、いくらでも「豆」を見つけられるはず。

焦らなくても、少しずつ目の前のことに取り組めば、いつかあすわだけの「豆」が見つかる…そんな気がするのです。

「太陽のパスタ、豆のスープ」宮下奈都|落ち込んだ人の次の一歩を応援する小説

「太陽のパスタ、豆のスープ」は、失恋した人だけでなく、人生がうまくいかなくて落ち込んでいる人に、ぜひ読んでほしい作品。

いきなり元気になれる、特効薬はないけれど、自分の力で立ち上がって、歩いていける…そんなエネルギーが湧いてきます。

シーア
シーア
元気出して!って言われても、そんなすぐに立ち直れないもんね。

ロッカさんの言動は、現実にいるとちょっとムカつくかもしれないけど(笑)

あのまま譲さんと結婚していたら、あすわのことを、いちばん理解して応援してくれている人がそばにいること、気づかなかったかもしれません。

ライト
ライト
あすわは、とっても恵まれているってこと、ちゃんとわかっているかな?

自分が失ったものだけでなく、持っているもののありがたさを、改めて噛みしめるきっかけになればいいなと思います。

¥660
(2024/11/21 20:02:14時点 Amazon調べ-詳細)

Kindle Unlimitedなら本・マンガが読み放題【30日間無料】

関連記事

婚約破棄から立ち直るストーリーは、寺地はるなさんの「ビオレタ」を思い起こします。

立ち直り方はそれぞれ違うので、悩んでいる人は、自分に合うやり方を見つけてほしいなと思います。

violeta
「ビオレタ」寺地はるな|棺桶を売る雑貨屋を舞台に、失恋から立ち直る再生ストーリー失恋を経験した27歳の妙(たえ)が、美しく装飾された「棺桶」を売る、ちょっと風変わりな雑貨店、ビオレタに出会います。何事にも自信がなく、流されやすくて、それなのに意外と頑固で、柔軟に自分を変えることができない。誰かに必要とされたくて、ずっと居場所を探している。自分の人生を、自分の足で歩いていく、すべての女性におすすめしたい小説。...

食べ物がおいしそうで、女同士で支え合うお話といえば、柚木麻子「あまからカルテット」もおすすめ。

失恋したとき、仕事で失敗したとき…うまくいかなくても、おいしいごはんと仲間がいれば、なんとかなる!と思わせてくれる作品です。

あまからカルテット
柚木麻子「あまからカルテット」おいしい食べ物と女の友情物語。【ネタバレなし】「あまからカルテット」は、女の友情とおいしい食べ物が魅力です。登場人物は、個性的なアラサー女子4人。5つの連作短編集です。恋する稲荷寿司、はにかむ甘食、胸さわぎのハイボール、てんてこ舞いにラー油、おせちでカルテット。変わるもの、変わらないもの。甘くて辛い、女の友情を描いています。...
ABOUT ME
シーア
年間120冊の本を読んできた経験から、おすすめの本をご紹介します。 「絵本講師」の資格を持っています。大人にも子どもにも絵本の魅力をお伝えしたい! 夫・男子ふたり・犬と暮らすワーキングマザー。 仕事も読書も育児も、自分のやりたいことを全部諦めない、欲張りさんです。好奇心旺盛で、いろんなことに興味があります。
【Kindle】スマホで読書をはじめよう
シーア
シーア
小説もビジネス書も、全部自分のスマホ1台で読めるよ!

本を読みたいけれど、かさばるから持ち運びにくい、置く場所がない…とお悩みの方には「Kindle」がおすすめ。

いつでもどこでも、片手で読めるから便利。

私は、防水のiPhoneをお風呂に持ち込んで、Kindleで読書しています。

日替わり・週替わり・月替わりでセールがあるほか、Kindle Unlimitedでは、月額980円(30日間無料)で読み放題のタイトルもあるので、チェックしてみて下さいね。

ライト
ライト
紙の本よりもちょっと安いのもいいところ!
RELATED POST